ナリーグ投手の傾向と対策|2009年のMLB、NPB-22

投手の被安打(H)、ゴロ(GO)、フライ(AO)、奪三振(SO)の構成比の一覧表。ナリーグ、100イニング以上投げた投手。

ジョエル・ピネイロは、最も経済的な投球をする投手だということは、以前に紹介したが、それは、ゴロを打たせているからだということがわかる。GO/AOもゴロの比率もMLBで1位だ。打たせて取る技術が最も高いといってよいのではないか。
最多勝のウェインライトは三振、ゴロ、フライまんべんなくアウトを取っている。
サイヤング賞のリンスカムは、三振を最も多く奪っている。華奢に見えるが剛腕なのだ。ナリーグの場合はアリーグ以上にフライを打たせる投手は上位にいない。フライはそれだけリスキーだということだ(しかし、セーバーメトリクスではフライを打つ打者よりゴロを打つ打者の評価が高い。これ、矛盾しているような気がする)
黒田は被安打率が比較的低い。これがWHIPの良さにつながっている。川上の数字は特徴らしきものが見られない。平凡である。来期のがんばりが期待される。

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アリーグ投手の傾向と対策|2009年のMLB、NPB-21

続いて、投手の被安打(H)、ゴロ(GO)、フライ(AO)、奪三振(SO)の構成比の一覧表。アリーグ、100イニング以上投げた投手。
 
よく、この投手は打たせて取るタイプだとか、三振を取るタイプだとかいうが、この表を見れば、そのタイプは一目瞭然だ。
上位にいる投手はおしなべて三振奪取率が高いが、なかでもバーランダーは圧倒的だ。ゴロよりもフライよりも三振の比率が高い。ヘルナンデスはゴロで打ち取るタイプであり、CCサバシアは、ゴロ、フライ、三振の比率が均等だ。TEXのフェルドマンやDETのポーセロは典型的な「打たせて取るタイプ」、ウィーバーは反対に「打ち上げさせるタイプ」だ。この表の趣旨とはずれるが、グレインキーのサイヤング賞受賞は、ERA、WHIP、DIPSがすべてリーグ1位というのが大きかったのではないだろうか。
当然の話ながら、被安打率の高い投手は上位には来ない。また奪三振、GOの比率が高い投手が比較的上位に来ている。フライを打たせる投手は、おそらくは本塁打の危険性をはらむために、あまり上位には来ないようだ。
この表を見ていると、ウェークフィールドがフライを打たせる投手だとか、ハラデーはゴロが多いとか、いろいろなことが見えてくる。
 

 
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ナリーグ打者の傾向と対策|2009年のMLB、NPB-19

打者の安打(H)、ゴロ(GO)、フライ(AO)、三振(SO)の構成比の一覧表。ナリーグ。規定打数以上。
 
高打率を残す打者はゴロを良く打つというセイバーメトリクスのセオリー、ナリーグの打者を見る限りでは、そうとは言い切れない感じだ。安打数上位で目立つのは、ミゲル・テハダがよくゴロを打っていることだ。この表だけで見ると、テハダは理想的な打者のように見えるが、実は四球が極端に少ないので評価は高くない。イチローとほぼ同じタイプ、しかしはるかに打率が低い。
3割をマークしていてもカルロス・リーのようにフライボールヒッターもいる。また、高打率でも三振がそこそこ多い打者もいる、アリーグのこの表である程度見えたと思ったものは、ナリーグの表を見ると、やや霞んでしまう。野球というのは複雑な要素が絡み合ったゲームだということが分かる。
ただ、アリーグとナリーグの野球を比較すると、ナリーグはバットを良く振り回し、フライを打ち上げる野球をしていることが分かる。セイバーメトリクスの信者は、アリーグの方が多いようだが、それと関連性があるのかもしれない。

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アリーグ打者の傾向と対策|2009年のMLB、NPB-19

野球の投打のリザルトは、安打、凡打、三振、死球、四球、犠打、犠飛の5つに大別できる。このうち、打者がヒットを打とうと思って(投手がヒットを打たれまいと思って)バットを振ったリザルトは、安打、凡打、三振の3つに絞り込まれる。
この3つの合計を打数(AB)という。そして凡打はゴロ(GO)とフライ(AO)に分けることができる。
ちょっとまわりくどく書いたが、投手と打者が勝負をした結果は、安打、ゴロ、フライ、三振のどれかになる。その構成比を調べることで、打者、投手の特性や傾向が分かるのではないか、と考えた次第。それを一覧表にしてみた。なお、NPBはGO、AOのSTATSを公表していないのでわからない。
まずはアリーグ。規定打席以上。

この表はなかなか面白い。一人ひとりの構成比をみると、その打者の特性が良くわかる。
ジーターはアリーグでダントツに多くのゴロを打っている。意外なことに、リーグで一番多くフライを打ち上げているのは、ジーターとよく似た役どころのペドロイアだ。ゴロもフライも多いポランコは三振が少ない。
例外はあるが、安打数を稼ぐ打者、そして打率(H/AB)が高い打者は、三振が少なく、ゴロが多く、フライが少ないことが見て取れる。
セイバーメトリクスでは、フライは無価値とされる。アウトになる可能性が高いからだ。反対に転がせば、安打やエラーの可能性がかなり出てくる。だからゴロを打つ選手の評価が高い。GO/AOという指標はそれに基づくものだが、これもジーターが1位だ。ビッグボールの権化のようなNYYにあって、ジーターの真価はここらへんにあるのではないか。
(なおMLB発表のGO,AOと安打、SOの総計は打数とは微妙に合わない。理由は不明。しかし、大勢に影響はないのでそのまま引用している。ご了承願いたい)

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パリーグ、DIPSとERAの関係|2009年のMLB、NPB-29

セイバーメトリクスの1つDIPSは、投手自身が自分の力で支配できる四死球、三振、本塁打に絞り込んでその能力を比較するデータだ。
最後はパリーグ。

ダルビッシュという投手は、どんな指標で切っても上位に来る。注目すべきは、岸田と成瀬だろう。この2人は今年「並みの年」という評価だろうが、内容的には非常に良い。それに比べると、涌井の投球内容はやや落ちるということだ。また、岸や八木のSTATSは割り引いて考える必要があるのではないか。
DIPSはあくまで、投手の能力の一端を示す数値ではある。しかし、これを意識することで、投手の努力目標が明確になる。NPBとしても、考慮に入れるべき指標の一つだと思う。

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セリーグ、DIPSとERAの関係|2009年のMLB、NPB-29

セイバーメトリクスの1つDIPSは、投手自身が自分の力で支配できる四死球、三振、本塁打に絞り込んでその能力を比較するデータだ。
MLBのDIPSのランキングを見てきた。次はNPBだが、セリーグのDIPSとERAの関係を調べていて、興味深いことが見えてきた。
MLBの2つのリーグ、そしてNPBのパリーグでは、DIPSよりERAが良い投手とERAよりDIPSが良い投手がほぼ同数(MLBは100イニング以上、NPBは80イニング以上)なのに対し、セリーグだけはDIPSよりERAが良い投手が倍以上も多いのだ。
 
これは何を意味しているのだろうか?
繰り返しになるが、DIPS的な良い投手とは、本塁打を許さず、三振を奪い、四球を出さない投手だ。この3つの要素に留意して投げている投手は勝敗やERAにかかわらずDIPSが良い。そしてMLBで優秀な投手はみなそれを心がけている。しかし、セリーグでは、そうではないということだ。いわゆる打たせて取る投手、そして四球を出そうとも本塁打を打たれようとも最後は締めくくるという価値観が通用しているということだ。少なくともセリーグの多くのチームでは、DIPSは全く意識されていないのが分かる。さて、セリーグのDIPSランキング。
 
上位2人が外国人選手であるのが象徴的だ。彼ら二人はDIPS的な指標を意識していたのではないか。2人揃ってMLBに復帰してしまったのは痛恨だ。
上位で目につくのは中日の選手が多いこと。打者の出塁の記録の時も思ったのだが、落合中日は、セイバーメトリクス的な指標を取り入れているのではないだろうか。それが、安定的な好成績につながっているのではないか。
対照的なのが巨人の投手。特に日本人投手はDIPSが悪い。昔ながらのやり方が生きているということではないだろうか。

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ナ・リーグ、DIPSとERAの関係|2009年のMLB、NPB-28

セイバーメトリクスの1つDIPSは、投手自身が自分の力で支配できる四死球、三振、本塁打に絞り込んでその能力を比較するデータだ。他の要素には、すべて「運」の要素がからんでいる。これを排除することで、純粋な投手の能力がわかる、というものだ。DIPSと防御率(ERA)との比較。ナリーグ。100イニング以上投げた投手のランキング。

非常に興味深いランキングになった。ナリーグ2009年のサイ・ヤング賞は、大方の予想を裏切ってリンスカムの2年連続受賞となったが、リンスカムは、DIPSでライバルだったウェインライト、カーペンターを大きく上回っているのだ。サイ・ヤング賞を選考した記者たちは、この数字を重視していたに違いない。チーム事情や運などの影響でリンスカムは15勝どまりだったが、内容的には上だと評価されたのだ。
注目すべきは、黒田がかなり上位に来ていること。勝星は上がっていないが、球数が少なく四球を出さない黒田の投球内容は悪くないのだ。川上は黒田と似たり寄ったりの勝ち星だが、内容はかなり悪いことが分かる。
PHIの若手左腕J.Jハップは2008年終盤に好投してローテーションの一角におさまり、2009年は12勝をあげたが、もともとコントロールの良くない投手であり、DIPSはERAよりも1.389も悪い。実力が伴っていない可能性がある。今季の登板に注目したい。

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DIPSとERAの関係|2009年のMLB、NPB-27

DIPSは、セイバーメトリクスの1つ。いくつかの公式があるが、一般的には
(与四球×3+被本塁打×13-奪三振×2)÷投球回+3.2
という公式が一般的だ。投手自身が自分の力で支配できる四死球、三振、本塁打に絞り込んでその能力を比較するデータだ。他の要素には、すべて「運」の要素がからんでいる。これを排除することで、純粋な投手の能力がわかる、というものだ。逆にいえば、DIPS的な良い投手とは、本塁打を許さず、三振を奪い、四球を出さない投手だということになる。
この数字は、防御率(ERA)と並べて表示することで興味深いことが分かる。DIPSがERAよりも良い投手は、数字に表れた成績よりも投球内容が良かったことになる。まずはアリーグ。100イニング以上投げた投手のランキング。

DIPSでもERAでもグレインキーが1位である。勝星では優るバーランダー、ハラデー、ヘルナンデスに比べて、内容が良かったということだ。サイ・ヤング賞受賞にDIPSがどれだけ影響したかはわからないが、記者たちは良く見ていたということだろう。
細かい話だが、バーランダーとヘルナンデスに注目していただきたい。バーランダーはDIPSがERAよりも0.688良い数字になっている。反対にヘルナンデスはDIPSがERAよりも0.622悪い数字だ。勝星19勝で互角、防御率はヘルナンデスの方が良いが、内容的にはバーランダーの方が上だという結果なのだ。松坂大輔はこの表にないが、DIPSは5.06とERA5.76よりもかなりいい。2009年は総体として確かに良くない年だったが、運もあまりなかったということだ。
セイバーメトリクスの考え方は投手の自責点、打者の打点を全く無視している。この2つの数字は、運や他の選手の状況に絡むことが多いからだ。DIPSは、純粋なポテンシャルを反映していると言えよう。ただし、走者を出しても、本塁打を打たれても最後は勝つという「勝負強い投手」は、DIPSは良くない。あくまで投手の実力の一端を知る数字だということだ。

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パリーグで敬遠と死球の多い打者は?|2009年のMLB、NPB-26

敬遠(IBB)と死球(HBP)。セリーグ、規定打席以上の選手のランキング。
 
パリーグでも最も恐れられている打者は、中村剛也ではなく稲葉である。死球が多いことも、稲葉が投手に警戒されていることの表れだろう。糸井、田中と敬遠の上位に日ハムの選手が並ぶのが目につく。
驚くことに中村剛也の敬遠は0。もちろんきわどいところをついて歩かされることはあっただろうが、圧倒的な本塁打数の割に投手は恐れていない。172cmという短躯も威圧感を与えていないのか。
意外と言えば、死球を最も多くとっているのは楽天の草野。四球、三振ともに少なく積極的に向かっていく打者だが、それだけに当たることも多いのか。怪我が気になるところだ。

 

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セリーグで敬遠と死球の多い打者は?|2009年のMLB、NPB-25

敬遠(IBB)と死球(HBP)。セリーグ、規定打席以上の選手のランキング。
 
セリーグの野球では敬遠はほとんどないといってよいだろう。ただし、投手が真っ向から勝負しているかと言うと、そうではなくて、捕手が座ったままきわどいコースをついているということだ。
金本はその中で最多の6個を選んでいる。金本は、春先に恐ろしいほど当たっていた。この時期、投手はさすがに勝負を避けたのだ。
死球はガイエル、ブランコと2外国人が上位。彼らは明らかに意識して死球をとっている。青木は、ベースにかぶさるようなフォームで打席に立つが、それだけに死球も多い。しかし、春先の死球の影響でシーズン前半不振が続いたことを考えると、良いことだとは一概に言えない。

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