NPB、投打の戦力分析|2010年NPBペナントレース-28

前日に続き、OPSとERAのマトリックスで、NPBの戦力分析もしてみたい。セパを同じマトリックスに置いてみる。

セリーグは3強3弱、パリーグは混戦状態だが、これがマトリックスでも良く現れている。セリーグでは、横浜と広島は投打で大きく劣っている。ヤクルトは最近、チーム状態が向上しているが、投打の数字的には上位チームとそん色がない。巨人のもたつきは。強烈な打線に対し頼りない投手陣と言うアンバランスの結果だということが分かる。これに対し、中日は投手陣が優位だ。
パリーグ、日本ハムが中日とほぼ同じバランスと言うのは、納得できるのではないか。よく似たチームだ。パリーグはどのチームも投手陣が充実しているために、打線の差が上位下位の差になっている。
両リーグの状況の差が見てとれて興味深い。

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セリーグ本塁打量産の謎(下)|2010年NPBペナントレース-27

結論を言えば、今年はなぜか3人の打者がぶっちぎりに本塁打を増産し、先頭集団を作っているのである。
言わずと知れた、ラミレス、阿部(ともに巨人)、ブラゼル(阪神)の3選手。一昨日の時点で3人でリーグ全体の19%にあたる90本を打っている。ラミレスと阿部は2人で巨人全体の44%の本塁打だ。昨年の本塁打王はブランコの39本だが、8月中ばには3人とも軽くクリアしそうだ。極論すれば、この3人だけが打ちまくっている。
このままのペースで3人が打つとすれば、最終的にはどんな数字になるか?残り試合とペースを勘案して表にしてみた。

本塁打率では3番目のラミレスだが、四球をほとんど選ばないので打数が多く、最終的には王貞治の記録に並ぶ55本。そしてブラゼル、阿部も50本を超すという予想だ。捕手と言う重労働、そして下位打線にもかかわらず阿部が50本塁打をマークすれば63年の野村克也の52本以来だ。
シーズン50本塁打はこれまで13度記録されているが、同じシーズンに3人記録すればこれも初の記録になる(これまでは85年、02年、03年の2人)。
3人がお互いの数字を意識しているのはほぼ間違いがないところ。競り合いになれば、3人が、王貞治の記録を破る可能性も多いにあるが、そのときはまた変な騒動が起こるかもしれない。

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セリーグ本塁打量産の謎(上)|2010年NPBペナントレース-26

今季、セリーグは本塁打量産が目立っている。昨日時点でのセパ両リーグのチーム打撃成績。

巨人が異様に突出しているのが分かる。本塁打率(AB/HR)20打数に1本とは、最終的に先発全員が20本打つという数字である。続いて阪神が29.1。以下はパリーグも含め、それほど突出していない。
昨年の数字を見る。

昨年も巨人が1位ではあるが、今年はその数字を大きく上回っている。また阪神は、こと本塁打に関する限り、昨年とは別物のチームである。
MLBの同じ数字と比較してみる。

MLBでも巨人を上回る本塁打率のチームはない。TORがそれに迫っている。本拠のロジャースタジアムは、ニュートラルとされ、本塁打が多い球場ではないが、今季はすでに8人もの二桁本塁打者が出ている。ALの本塁打王は現在のところTORのボーティスタの24本だ。
巨人が本拠とする東京ドームは極端なバッターズスタジアムではある。それにしても今年は異様な数の本塁打。その原因はどこにあるのか?(長くなるので下に続く)

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京セラドーム大阪は超盛り上がり|2010年NPBペナントレース-25

近鉄沿線割安デーだったので京セラドーム大阪でオリックスvs西武戦を見た。平日のナイター、公式発表は1万人だが実感としては二分の入りと言うところか。しかし、滅多にないような面白い試合だった。

6月の月間MVPに輝いた木佐貫と、許の先発。この日は、巨人時代の悪い木佐貫で、コントロールが悪く、HBPを2つも与えた。無駄球が多く、西武の各打者はじっくり見ていった。9番坂田には、不用意な球を投げて、プロ入り初本塁打(3ラン)を喰らう。対照的に許は、打たせて取るクレバーな投球。2回に下位打線に攻め込まれて2点を失ったが、後は危なげがなかった。西武は4回、7回にも1点。7回の中島の3塁打はすごかった。重戦車のように3塁に駆け込んだ(中島は守備も砂塵を蹴立てるようで、実にダイナミックだった)。
5対2となった時点で勝負あったかと思ったが、許は8回、簡単に2死を取ってから3番後藤にHBP、4番カブレラに四球を与えた。このところ試合をひっくり返されることが多い西武には嫌な空気が立ちこめた。渡辺監督はここで藤田太陽にスイッチ。しかし、この日の太陽は球が走っていない。T-岡田に粘られた挙句内野安打、満塁で北川が泥臭く右翼線沿いに落ちる走者一掃の2塁打バルディリスが歩いて日高が左前打。一気に4点を奪って逆転した。この回、ランナーが出てからオリックスの各打者は見逃しのストライクが1球もなかった。コースに来た球は全部振っていた。これは見事だと思った。二分の入りでも盛り上がればこんな声が出るかと言う歓声だった。
しかし、試合はこれで終わらなかった。最終回、抑えに上がったのはクローザーになった岸田。栗山はその初球を叩いて二塁打。にわかに3塁側が沸いたが、岸田は4番中島、5番高山に良い当たりをされながらもゴロで仕留めて2死、6番ブラウン。もう勝利がほとんど掌中に入っていたのだが、1ボール2ストライクからの4球目を思い切り振り抜いたブラウンの打球は高々と上がってライトスタンドに消えていった。滞空時間の長い本塁打だった。

前中島と原拓也のユニフォームを着た女子高生2人が、手も足も無茶苦茶に振り回しながら、前のほうへ駆けだしていった。後ろですごい歓声が上がったので振り返ると、白人の家族連れが狂喜乱舞している。どうやらシコースキーの親戚のようだ。
9回裏、お約束通り、腕をぶるんぶるん振り回して、シコースキーが140キロ代ながら重たい速球をずばずば決めて三者凡退。白人の家族連れは、周囲の人の握手攻めにあっていた。
今季見た中では一番いい試合。
この試合は、観客が少なかったために、投球、打球の音がはっきり聞こえた。会心の当たりの乾いた音、バットが折れる音、グラブでボールをすくいあげる音。そして太鼓などの挟雑物のない、純度の高い歓声。こういう試合をスコアブックに記録していくのは、実に楽しいと思った。

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中日のほころびを東京ドームに見た|2010年NPBペナントレース-24

週末に東京にいることが続いた。思いついたらコンビニでチケットを買ってスタジアムに行く。東京ドームの巨人・中日戦。
信じられないことだが、中日は試合前のシートノックでもポロポロやるのだ。捕手の2塁送球が外野に抜けたり、ゴロを取りそこなったり。どこかおかしいと思われてならない。

試合は、8回まで1点差だったが、実感としては中日は巨人に勝てそうな気がしなかった。内野全体に不安感が漂っているのだ。今日はSS荒木が1塁悪送球。川井のワイルドピッチと小山のパスボール。しかし、1Bのブランコは、球が飛んでくるたびに狼狽しているようだったし、2B堂上のグラブさばきも心もとない。皮肉なようだが、開幕前は一番心配だった森野の3Bの守備が一番安心して見られたくらいだ(10失策はしているが)。
打撃も実に淡白。3、4、5番に屈指の強打者が揃ってはいるが、その周辺を打つ選手が薄い。つなぐことも粘ることもせず、ただただ打つばかり。V9時代、巨人に白星を献上し続けた大洋ホエールズを思い出させるような淡白な打撃に終始した。開幕時のスタメンと同じメンバーは、森野、和田、ブランコ、野本だけ。全体に弛緩しているようで、まとまりがない。
その根源はどこにあるのか、うかがい知れないが、たとえば荒木、井端のコンバートを今年も画策して失敗したことや、明らかに実力不足のセサルを30試合過ぎまでレギュラーで引っ張ったこと、40歳になる谷繁の後継者育成が後手に回ったことなど、今年の課題とされたことが一気に顕在化したような感がある。一言でいえば、チームのセンターラインにひび割れが出ているのではないか。
つまるところ、落合長期政権の勤続疲労がそろそろ露見したと見ることも可能かもしれない。投手陣はまだ一級品、打線の軸にもいい打者はいるが、たとえば絶対的なリリーフエース岩瀬の後継者も見えないなど、まだ不安材料はいくつかある。再びのチーム作りが必要な時期が来ているように思えた。

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ヒメネスという怪物|エピソード2010-72

松坂大輔が試合直前になって右前腕故障でDL入りした。今日の登板で今季を占うことができると思っていただけにまさに痛恨。アチソンが急きょ先発した。故障の程度は不明だが、とにかく早く復帰してほしい。
今、MLBで一番安定している先発投手は、COLのウバルド・ヒメネスだろう。まだ26歳のこの投手は、100マイルクラブの会員で、少し前までは「行き先はボールに聞いてくれ」というタイプだった。2008年は103四球。松坂大輔(この年94)よりも多い選手がいる、と思った記憶があるが、2009年5月から突如安定感が増した。登板記録を見てみると、

何と、昨年5月以降、現在まで42回先発して41回QSを記録しているのだ。これはすごい。今年4月17日にノーヒットノーランを記録したが、今年に入ってさらに投球は冴え渡り、WHIPは1以下、3失点したのも1度しかない。
この劇的な変化の原因は、コントロールが飛躍的に向上したこと。今でも四球は少ない方とまではいかないが、1試合当たり3個台に減った。特に変化球でストライクがとれるようになったことで、速球が生きるようになった。球の速さは健在、被打率が下がっているのを見ると、切れや球威はさらにアップしているようだ。
また、彼は50球を過ぎるころから被打率が上昇する傾向(.250 以上)にあったのだが、これも改善された(.200程度)。スタミナがついたということだ。

今のナリーグは、ストラスバーグ一色に染まっている感があるが、記録的に見ればヒメネスが何冠王になるかという興味もあるのだ。

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東京ヤクルトvs千葉ロッテ戦を見に行った!|2010NPBペナントレース-22

早いカウントから打ちにいくのは悪くない、とは多くの野球解説者が口にする言葉だが、常々、その根拠を教えてほしいと思っている。
日曜日、神宮球場で行われたヤクルトvs千葉ロッテ、ヤクルトの先頭打者には上田剛史が抜擢された。前日、西武戦で代打殊勲打を放ったことが評価されたのかもしれない。しかし上田は1回、ロッテ先発の渡辺俊介の3球目を打って6F、4回これも先頭の第二打席は初球を打って1G、6回も初球を打って9F。わずか5球で渡辺に3つのアウトを進呈した。違うリーグの対戦数が少ない投手である。先頭打者は粘って球筋を見極め、後続打者にもできるだけ情報を提供するべきではないだろうか。早いカウントから打っても良いのは、相手投手を十分に知っている場合や、イチローのように初球の打率が.500(2010年)の打者に限られるのではないか。ヤクルトには、今、確たるチームの戦略がなく、調子のよさそうな選手を使っているだけではないかと感じられた。

負けが込んでいるチームというのは、こういうものかもしれないが、この日のヤクルトの上位打線はとにかく淡白だった。青木でさえも元気がなかった。むしろ5番の武内以降の下位打線のほうが粘っこく渡辺と対峙していた。
故障者続出のロッテ打線は以前ほどの迫力がない。井口、金泰均、サブローの中軸3人もやや息切れ気味だった。しかし、ヤクルトがあっさりと凡退を重ねる中で、少しずつ由規を攻略し、5回で3対0とした。ほぼ勝負あったかと思ったのだが、ヤクルトは下位が起点となって6、7回に逆転劇を演じた。このときには、上田は引っ込められていた。田中浩康が4打点と一人で気を吐いていた。
勝つには勝ったが、ヤクルトは勝因は「幸運」ではないかと思われた。先発由規、2番手増淵、3番手松岡、そして押さえの林昌由まで投手陣は優秀だったが、打線はまとまりを欠いている。ストーリーがないと感じた。
ロッテは荻野貴に続いて早坂が故障。打線に穴が開きつつある。チーム打率も.291まで下がった。また、投手陣も薮田、小林宏が撃ち込まれるなど救援陣に不安材料がある。今日の場合、渡辺降板のあとに上がったのは伊藤。彼の失投で負けた。ここにも首脳陣の自信のなさが表れている。
初の3連敗を喫したが、これから下降線を描く可能性はある。しかし、ポテンシャルが高い選手がそろっている上にチーム方針が明確なので、優勝戦線には踏みとどまるのではないか。
 
実に久しぶりに神宮球場に行ったのだが、ここにはかつての大阪球場や川崎球場などで感じられた「コンクリートと鉄骨」の匂いがあって懐かしかった。左外野席は千葉ロッテの応援団がびっしりと埋め尽くして、数でもヤクルトを圧倒していた。チームの勢いの差を感じた。
終盤、例のビニール傘の「東京音頭」がスタンドを賑わせたが、私の席のすぐ前にいた年配の西洋人夫婦は非常に驚いていた。確かに「東京音頭」は、彼らには異様なメロディに聞こえただろう。少なくとも「歓喜の歌」には聞こえない。
「ねえ、彼らは喜んでいるんだよね」
「そうですとも、味方チームが逆転したんですから」
みたいな会話をしたのではないか。iPhoneで、盛んに傘が動く動画をとっていた。

もうひとつだけ雑感。途中で他球場の経過がスクリーンで伝えられた。昔は西武球場でも、横浜でも、巨人が勝っていると歓声が沸き、負けているとため息がきこえたものだが、今日はそうした反応はなかった。巨人というチームが普通のチームになったのだと実感した。

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エースの真価とは?|2010NPBペナントレース-21

残念なことに、シーズン序盤戦にして東京ヤクルトの高田繁監督が辞任した。特に交流戦に入ってからは、昨日時点で1勝10敗、交流戦セパの勝敗はセの30勝41敗と大きく負け越しているが、その負け星11の内9がヤクルトなのだ。
この大不振は、投打のどちらに原因があるのか、投打のセリーグチーム別総合成績を比較してみた。

 

一目瞭然、東京ヤクルトの投手陣は健闘しているが、打撃陣がさっぱり打てないのである。RC27で比較すれば、ヤクルトは3.68、5.56の巨人とは2点近い差が開いている。ヤクルトでは青木、田中を除いて.250を打っている打者がいない。出塁数が少ないために、得点が入っていないのだ。

しかし、セリーグの投手陣を見ていて疑問に思ったのは、広島である。このチームは打撃でも5位、投手力は最下位なのに、打撃最下位、投手力3位のヤクルトよりも上にいる。負け越し数はヤクルト19に対して広島11。この差は何なのか?監督の采配の差なのか?単なる運なのか?子細にみると、ヤクルトはERAよりもDIPSが大幅に悪い。広島はDIPSがERAよりもやや良い。運不運の要素がかなりからむERAよりも、投手本来のポテンシャルを示すDIPSにこそ、投手陣の実力が表れている!
と、結論付けようと思ったが、どうも納得できない。そこで、両チームの各投手のSTATSを並べてみた。で、すぐにわかった。

広島は、今季大ブレークした前田健太が一人で投手陣を背負っていたのである。前田の勝敗を差し引くと広島は12勝29敗となり、14勝33敗のヤクルトに近い成績になる。高橋建さんなど他の投手はふがいない限りなのだが、前田登板のときだけは広島は別のチームになっていたのだ。ドングリの背比べのような投手陣のヤクルトとの差はここで開いたのだ。
野球は投手陣が6割とは良く耳にする言葉だが、近年は打撃にこそ勝敗のカギがあるように思える。しかし、傑出した投手が1人でもいると、チームは変わるのだ。
論旨が途中からよじれて恐縮だが、エースの真価をはしなくも実感した次第。

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横浜投手陣が面白い!|2010NPBペナントレース-20

巨人阪神が走っている中、16勝20敗と負け越してはいるが、横浜が4位につけて元気である。最大の要因は、投手陣が揃ってきたことではないか。
 
昨年4.36で最下位だったERAは3,94で4位に。
先発陣はエース三浦がやや出遅れ、ランドルフがまるでATLの川上憲伸のように黒星街道まっしぐらだが、千葉ロッテから移籍の清水が期待通りの働き。寺原も実力を発揮している。さらにドラフト2位のルーキー加賀がローテに定着。今月に入ってこれに大家が加わった。三浦の復調とともに、かなりやるのではないかと思わせる。
それにもまして充実しているのが救援陣。昨年ERA10点台の牛田がすでに11ホールド。クローザーの山口俊が昨年に引き続く活躍。これに4月になって石井裕也との交換トレードで日ハムから移籍したベテラン江尻慎太郎が予想を上回る活躍。対照的に石井裕也は、1軍で投げていない。不振にあえぐ日本ハムはトレードを後悔しているのではないか。
尾花新監督は、それぞれの投手の役割をきっちりと定め、信頼して任せているように思う。また、実績はないが実力のある投手をしっかり見極めて起用しているように思う。
伸び代が大きい投手が多い横浜。これから上昇気流に乗るのではないだろうか。

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ダルと岩隈0-0の好勝負|2010年NPBペナントレース19

年に1、2度くらい、こうした息詰まる投手戦がある。昨日の日本ハム、楽天戦は、NPBを代表する投手同士が死力を尽くした好勝負だった。

立ち上がりは両投手ともに、普通の出来。岩隈は先頭打者を安打で出したが、落ちついて後続を断った。ダルビッシュも最初は打たせて取る投球だった。
ダルにエンジンがかかったのは5回、中村紀に2塁打を打たれてから。岩隈の好調さを見て、1点勝負になると思ったのだろう。ここから8回まで15人の打者から9つの三振を奪う。しかし、この投手は三振を取りにいくと球数が多くなる。徐々にコントロールが甘くなった感があった。
ダルビッシュは9回、指先を気にするようになった。球も高めに浮き、いつ失点してもおかしくない様相となった。中村紀が抜けた球を左翼に運んだときは、もう限界かと思われたが、続く嶋のセンターへ抜けようかという当たりを金子が好捕し、事なきを得た。9回155球。いつもながらの球数の多さだ。これではサタデー・ダルが精いっぱい。故障が心配になってくる。
一方の岩隈は、ゴロを打たせる経済的投球に徹した。サードに8つ(犠打1含む)、ショートに5つ(失策1含む)、セカンドに2つ、自らが2つ。楽に投げているという感じだった。
7、8回とやや息切れの感があったが、9回は復活。1死から高橋が安打で出塁しても落ち付いて陽、鶴岡を押さえた。岩隈の三振は、「力」でねじ伏せるというより、振らせない「技」を感じさせた。9回127球。理想的な球数だと言えよう。
10回裏、岩隈に代わった小山が当たっている田中に安打を打たれ、盗塁、そして森本のファウルフライでタッチアップ三進。最後は稲葉の安打で決着。小山はズマヤばりの球威ある球を投げるが、今日はスピードがなかった。岩隈の技に翻弄されてきた日ハム打線にとっては、つかまえやすい相手だったのだろう。
ピッチングとは何か、をいろいろ考えさせられた試合だった。

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