8月の日本人MLB打者|2010MLBペナントレース-32

7月に比べれば総じて活躍が目立った月だったが、状況は厳しい。一言でいえば「時すでに遅し」という感がある。
イチロー

7月より持ち直したのは間違いないが、本調子とは言えないのではないか。マルチヒットは出ているが、迫力がない。昨年は足の故障で8月後半8試合を欠場しているが、直前に4安打するなど今年よりも元気だった。30試合で31安打は実現可能だが、プレッシャーがかかってくるだろう。
松井秀喜

大噴火するか、と期待したが小規模にとどまった。ただ、昨日は2打席凡退だったが松井シフトに阻まれただけでいい当たりは出ていた。ようやくチーム打点王に躍り出た。ただ、40人枠になった今後は、若手に出場機会を譲ることもあろう。限られたチャンスを活かして来季契約に辿り着かなければならない。本人は最近「人工芝のNPBでは1週間で故障者リスト入り」と日本復帰を明確に否定している。
福留孝介

好調は維持しているが、試合出場機会ははっきりと減ってきた。ここ2試合は出番なしである。来季契約が残っているとはいえ、かなり追いつめられた感がある。出た試合でどれだけ数字を残すか、それだけである。
岩村明憲

AAA降格当初は元気だった岩村だが、モチベーションが低下しているのではないか。8月末までにお呼びがかからなかったということは、他チーム移籍の目もかなり小さくなったということだ。日本復帰の噂もあるが、不完全燃焼の印象はまぬかれない。
松井稼頭央

逆境の中でよく頑張っている。数字が上がっている。AAAとはいえ月間20得点は特筆ものだ。彼も8月31日までにお呼びがかからなかった。アメリカに残るなら、恐らくはマイナー契約からやり直すことになる。日本球界復帰の話も出てくるのではないか。
 
野手は依然として厳しい状況にある。そして高齢化も進んでいる。フレッシュなNPB選手の挑戦を見たいところだ。

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A-ROD、打点王に躍り出る|エピソード2010-129

1試合3本塁打、5打点の活躍で、アレックス・ロドリゲスは、今季初めて打点でトップに立った。
A-RODの1試合3本塁打は昨日で4度め。歴史を感じるので、そのすべてを紹介しよう。

ペドロ・ボーボーンはCINで日本に来た同名投手の息子である。2005年のコロンは、A-ROD一人から9失点している。600本塁打以上の7選手の中で、3本以上の固め打ちが最も多いのは、サミー・ソーサの6度、A-RODはボンズと並ぶ4度で2位タイだ。
ところで、ALの打点ランキングを見ていて、面白い事に気が付いた。

昨日時点でA-RODは確かに打点王だが、長打率、OPS、RC,RC27という強打者を示す数値で、ことごとく打点10傑の下位なのだ。特に安打、長打、本塁打、四死球、盗塁、犠打、犠飛までを加味した積み上げ型の数値であるRC(Run Create)では、A-RODの1/3以下の打点しか稼いでいないイチローよりも下だ。
これは、A-RODの打率が低い上に、四球による出塁も少なく、さらにはHR、2Bも少なかったからだ。得点も低い。以前にも書いたが、今年のA-RODの内容の薄さを示しているといえよう。
同時にこれは、現代の野球における打点(RBI)というSTATSの位置づけの特殊さを表している。セイバーメトリクスでは、打点はほとんどの計算式に使われることがない。野球選手の実力を表す数値とは考えられていないのだ。極端にいえば、打点はチームの出塁率が高くて、好機に良く打席が回ってくる「運が良い」選手に与えられるポイントだと言えなくもない。投手の「勝ち星」に似ているとも言えよう。
打点王を獲得すれば、日本でならA-RODは「衰えを知らない大打者」ということになるだろうが、数字を重視するMLBでは、そろそろポストA-RODが取りざたされるかもしれない。

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日本人MLB野手の7月|2010MLBペナントレース-28

憂鬱な数字が並ぶ日本人MLB野手の7月。
イチローは、明らかにパワーダウンしている。

昨年同月との比較ではちょうど10安打少ない。そして三振が倍近く多い。昨日も1安打したものの、3三振。それも、集中力が途切れたような打席だった。今日も無安打。こうした苦しい局面を何度も乗り越えてきたイチローだから、最後は帳尻を合わせるのかもしれないが、少し休むという選択肢はないものかと思う。 
松井秀喜も、今季、三振が急増している。

左投手の打率が.180と悪いが、三振率も3.36打数に一度と非常に多い。なぜここまで悪化したのか、原因があるのではないか。月後半に4本塁打したが、その勢いが8月に持ち越すかどうか。昨年、8月は.281、8本塁打と活躍した。期待したい。 
福留は、結局トレードにもかからなかった。

デレク・リーがLAAとのトレードを拒否したことが話題になったCHCだが、福留のうわさも上がった。しかし、この数字では食指を動かす球団はなかったに違いない。昨年、福留は7月に持ち直したのだが、今季は出場機会も減り、全く振るわない。ピネラの今季限りの引退宣言により、CHCは来季を見据えたリストラモードに入っている。福留に与えられたチャンスは少ない。また日本復帰組に入るのだろうか。
岩村明憲はAAAで元気ではある。

しかし、PITでの飼い殺しが続いている。他球団から声がかからなければ、彼も日本復帰を考えるのではないか。
そして松井稼頭央。

AAAでも打率が上がってこない。COLのMLBに昇格する可能性はかなり低くなった。彼もまた日本復帰組になるのだろうか。何とか今季中の再登場を期したいものだ。
 
それにしても、2010年はMLB日本人野手にとって、大きな転機になりそうだ。下手をすると、来季はイチロー一人になる可能性もある。MLBでの日本人野手の評価は大きく下がったことだろう。今季はなぜ、揃ってここまで不振なのか?なぜ日本人野手が通用しないのか、考えてみる必要がありそうだ。

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巨人、外野手ベスト3は誰か|クラシックSTATS鑑賞 巨人

さて、外野手。25人の中からベストの3人を選ぶ。5年以上プレーをした選手、144試合に換算しての数字一覧である。張本勲は4年しか巨人にいなかった。ホワイト、スミスも2年ずつしかいなかったので除外。

守備でいえば、呉、平山から高田、松本らの名前が挙がるだろうが、何といっても外野手は打撃と走塁が必須になってくる。
ONに匹敵する圧倒的な打撃成績を残している松井秀喜は当確。若いころは、守備も堅実で評価が高かった。
そしてクロマティ。巨人史上最強の助っ人であるのは間違いない。7年間の巨人のSTATSを平均してみても松井秀喜に匹敵する。守備は目をつぶるべきとは思うが、私は殿堂入りもあってしかるべきだと思っている。
残る一人、足で選ぶなら呉、柴田、松本。しかし、1番打者として考えるなら、与那嶺に落ちつくのではないか。若いころは守備範囲の広さでも鳴らしていた。
こうしてみると、巨人の外野手は松井秀喜を除いて「わき役」が多いことに気がつく。何か一つ「特徴」をもった、職人気質が多いように思える。

クラシックSTATS鑑賞 巨人 総INDEX

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松井秀喜の好調はどれだけ続くか?|エピソード2010-112

この6試合で4本塁打。久々に松井の調子が良い。仮に10試合で4本以上の本塁打を打った期間を「本塁打ブーム」とすると、昨年の9月以来。あのとき、松井はこの好調を維持してポストシーズンで大活躍をした。過去のデータを調べると、松井秀喜はMLBに来てから今回も含めて11回、そういう期間があった。

 

特徴的なのは、4月5月が一度も無いこと。2005年は開幕から5試合で3本を打ったが、4本目が出たのは何と5月31日になってからだ。6月は7月へのまたがりを含めて3度、7月は6月からのまたがりを含めて4度、8月は3度、9月は2度。13本塁打を打って月間MVPに輝いた2007年7月は、2回「本塁打ブーム」があった。松井秀喜は暑くなると元気になる、というのは本当なのだ。
過去の例をみると、松井の「本塁打ブーム」は10試合程度続くことが多い。松井は、あと4試合で2~3本ほど打つ可能性がある。そして、しばらく間をおいて8月にもブレークする可能性はあると思う。
好調な時の松井は、フルスイングした打球が少し遅れる感じで右中間方向に伸びていく傾向にある。昨日の本塁打がまさにそれだった。これまで期待を裏切っているだけに、少しでも長く続いてほしい。

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日本人MLB野手の6月|2010MLBペナントレース-23

毎日顔を見ることができる日本人野手は昨年の6人から半減した。城島がNPBに復帰し、岩村、松井稼が戦力外。残る3人の内、福留もレギュラー落ちし、おそらく解雇まで秒読みだ。このままやせ細っていくのだろうか。

イチローは、良くも悪くもないという状況だ。グリフィJr.引退前後は安打が出なかったが、すこしずつ復調。しかし爆発的な打棒は見られない。ただ、今季は四球が多くなっている。リーグ一の四球取りであるフィギンズの影響があるのかもしれない。6月は長打が多かった。三振も多いが。打点がその分増えている。
フィギンズが復調、後ろにブラニャンが入ってきて、打線が少し安定すればさらに調子が出るかもしれない。200安打は問題ないだろう。今季はマウアーの調子が上がらないので、首位打者を狙うチャンスではある。

LAAのソーシアは、昨日のインタビューで「(2本塁打を打ったTEXの)ゲレーロはリーグ屈指の打者だ。打たれても仕方がない」とつらそうに語っていた。そのリーグ屈指の打者を放出して入れたのが松井秀喜だったはずだ。悪い数字ではないが、比較されると苦しい。一時の大スランプは脱したものの、4月の大爆発以来、目立った働きがない。モラエスのDLで中軸での出場機会は確保されている。ここは、派手な活躍をしてLAAのファンの心証を良くしてほしいものだ。

福留は過去2年間と全く同じ軌道をたどっている。ピネラは新人のタイラー・コルビンをレギュラーにすると宣言。福留は控えに甘んじることになった。ここ8試合では7度先発に起用されたが18打数2安打3四球。もう何も言えない状況になりつつある。規定打席も外れた。今、福留がCHCのロースターにあるのは、チームの「保険」に過ぎないだろう。ソリアーノ、アラミス・ラミレスに次ぐチーム3番目の高給取り(1400万ドル)だが、40万ドルのコルビンよりも評価はかなり低い。岩村、松井稼に続いて戦力外になる可能性もあると思う。必死で頑張ってほしい。

松井稼頭央は、HOUを放出され、COLのAAAで奮闘中だが、MLBに上げたいと首脳陣が思うような数字は残せていない。ただペナントレースに辛うじて引っかかっているCOLとしては、調子の上がらない2Bバームスの刺激剤として松井を上で試す可能性は残っていると思う。

岩村は、昨年、怪我をするまでは素晴らしい数字を残していたのだ。今季の不調が信じられない。ファームで3試合を経過。まだ何とも言えないが、松井稼より4つも若いのだから、じっくり体調を戻して挑戦すべきだと思う。

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松井秀喜NPB選手なりせば|エピソード2010-89

松井秀喜がNPBで残した本塁打率は13.77。これはすごい数字である。この数字を超える選手(NPBで10季以上在籍)は、タフィ・ローズ(13.52)と王貞治(10.66)しかいない。仮に日本と同じ本塁打率ならばどれくらい打っているか?

MLB歴代176位、ベルトレと同じ261本。
では、本塁打率13.77は、MLB歴代の打者と比べればどういう位置づけになるか?

王貞治はマグゥワイアに匹敵する驚異的な数字。もちろん王はステロイドなしだ。松井秀喜はMLBでは歴代5、6位に相当する。この数字自体にあまり意味はないが、松井がNPBにおいて成し遂げたことの大きさを知る傍証にはなるだろう。
さらに「たられば」。松井秀喜がMLBに行かず、巨人にいたらどんな数字を残していたか?
年間140試合出場として、ざっと計算してみる。

2010年は、2500本安打と600本塁打がかかるシーズンとなったはず。そしてすでに達成していただろう。王貞治以来の大打者の出現だった。
 
だが、こうも思う。それはそれで素晴らしいことだが、彼がMLBで見せた苦闘と我々に与えた感動も、松井秀喜そのものなのだと。NPBの当代最強打者がMLBに挑戦した、そのこと自体に大きな意義があったと思う。

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松井秀喜、MLB150本塁打|エピソード2010-87

遅すぎる。というのが率直な感想だ。しかし、彼が更新中の日本人選手のMLB本塁打記録は当分破られそうにもない。2位はイチローの87本である。
昨日の試合終了時点でのMLB本塁打ランキング。少々煩わしいが、全部掲載してしまう。

松井秀喜は昨日時点で歴代433番目。現役61番目。MLB各チームに2人はいる長距離打者の一人と言うレベルだ。
本塁打率でみるときに、NPBとMLBでの彼の打撃の違いが際立って見えてくる。

打数を本塁打で割った本塁打率ではほぼ半減しているのだ。
少し未練たらしいが、「たられば」の数値を1つ。松井は2006年に大怪我をして以後、出場試合数が減少しているが、この怪我がなかったとして、同じ本塁打率ならば以下の数字になる。

30本ほど本塁打を損した形だ。恐らくは怪我がなければNYYに残留していたことだろう。
この記念の本塁打を、デビューの本塁打と同様、満塁本塁打で飾るのがいかにも松井秀喜らしい。決して派手な性格ではないが、松井は何かを持っているのだ。
MLBの壁の高さを身を持って証明した選手として、松井の名前は記録され、記憶されるだろう。
今季、このペースでは22本塁打、98打点との予測が出ている。今日も3打数1安打1打点だったが、願わくば、今季もう少し打率を上げ、30本塁打、100打点を目指してほしい。

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松井秀喜、復調は本物か?|エピソード2010-66

今季どん底のAVG.224に沈んでから約半月、松井秀喜は徐々に調子を取り戻しているように見える。

どん底時にはインターリーグとはいえスタメン落ちも経験し、5月末までは横ばいに近かったが、皮肉なことに5月29日、4番ケンドリー・モラエスの満塁サヨナラ本塁打骨折という大アクシデントによって、打順が6,7番から4、5番に上がってから31打数13安打3本塁打9打点の.419と急上昇した。何も言わない松井だが、モチベーションが上がったのだろう。チームも30日以降は7勝1敗。主軸の復調とともに上昇気流に乗ったという感じだ。
ただ、最近の松井はこうした好調が長続きしない。月間ベースで見たとき、OPS10割を超えたのは2007年7月まで遡らなくてはならない。続かないのだ。
松井秀喜完全復調は、まだ早計かもしれない。6月のAVG3割、OPS.10割を超えたときにはじめて、そういうべきだ。そのときはオールスター出場(監督推薦だろうが)の目も見えてくる。

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日本人MLB打者の2010年5月|2010年MLBペナントレース-21

シーズン当初、5人だった日本人野手は松井の解雇で4人になり、昨日、岩村が控え選手となったことで常時見ることができるのは3人になった。今季の日本人野手の不振は目を覆いたくなるものがある。
昨年の同時期までと比較してみた。

ソーシア監督は、打率は低いが打点を稼ぎだす松井秀喜を評価していると言っている。確かに、打点は昨年を上回っている。しかし、不振脱出の兆しは見えない。サヨナラ満塁本塁打男モラエスの骨折で(彼の走りは転倒の前、ホーム直前ですでにおかしかった)、松井を起用せざるを得なくなっているが、この調子が続くようだと方針を見直さざるを得ないだろう。あてつけるように、ゲレーロがすさまじい打棒でアピールしている。「私憤」という言葉が浮かんでくるが、松井秀喜にはそういうぎらぎらしたものは、良くも悪くもうかがえない。

イチローは、普通の調子。大きな波もなく200本へ向けて走っている。ただ打線が弱体すぎるので、100得点は厳しそうだ。この2年、盗塁死が増えている。チームの作戦もあるが、それまでは抜群の盗塁成功率だっただけに気になる

福留は、すでに去年の打率を下回っている。例年通り、徐々にではあるが下降線だ。昨年は6月1割台。夏に向けていかに打棒を維持するがが課題だ。左投手の時は先発を外れているが、このペースは悪くないかもしれない。ただ、ライバルのネイディが登り調子なのは気になる。

さて、岩村は昨日から控えに回った。5月はほぼレギュラーで出場して9安打しか打っていない。松井稼よりも成績が悪いのだ。これでは仕方がない。ラッセル監督は「体を鍛えて出直してほしい」と言っているが、実質的には緩やかな解雇通告と見るべきだろう。MLB最貧チームのPITには、485万ドルの控えを養う余裕はない。もともと7月末のトレード期限までに出される可能性が取りざたされていたが、今の成績ではマイナー契約しかないだろう。奇跡的な活躍がない限り、夏、岩村はPITにはいないと思う。

松井稼頭央。昨年の成績でも打撃不振と言われたのだが、今季は論外だった。フライが打てない。ゴロばかりなのだ。COLに拾われたが、今日時点でAAAコロラドスプリングスでは、5試合に出て20打数3安打。もう後がない。ここ数日で結論が出てしまうだろう。
 
うーん、どうしてこんなに元気がないのか?これではNPBからMLBに挑戦しようとする打者がいなくなってしまう。MLB側の評価も大きく下がるだろう。日本人MLB打者の奮起を促したい。そして、元気のいいNPB打者の勇気ある挑戦も期待したい。

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