吉田えり、炎上|エピソード2010-112

初のアウェイだったが、4500人を超す今季最多の観客の前で、チコ・アウトローズの吉田は昨日、6度目の登板をした。しかし、得意のナックルがほとんどボールになって、次々とランナーを出しては失点した。よく草野球の急造投手が陥るパターンだ。
今季の戦績。

この試合の前でもERAは10点台。この成績では、とっくにお払い箱のはずだが登板機会が巡ってくる。地元紙は彼女の登板予定を大々的にPRするから、お客さんは集まる。で、その前でよくわからない投球を披露しているのである。客寄せパンダは明らかだ。
日本では、女子プロ野球が開幕した。2チームではあるが、予想以上の観客を集めている。レベルは高いとは言えないが、懸命なプレーが評判を呼んでいるのだ。吉田えりは、果たしてこの女子プロ野球で通用するだろうか。

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マック鈴木がよみがえった!|エピソード2010-93

マック鈴木こと鈴木誠は、野茂英雄よりも3年も早く米球界に身を投じた。MLBで投げていたのは、2002年が最後。またオリックスで投げていたのも2004年が最後だから、どうしているのかと思っていたが、メキシカンリーグの記録を調べていたら、こんなところに顔を出していた。

なんと、チワワ・ゴールデンズ(あの小さい犬の原産地だ)のマック鈴木は昨日時点でメキシカンリーグの防御率第3位。18試合に先発して7勝3完投、しかもリーグ2位の116回も投げている。フル回転しているのだ。
ちなみにERA1位は22歳のルーキー、へクター・ベラスケス。2位のハビエル・マルティネスは、28歳でキャリア5年、4位のボビー・クラマーは31歳のアメリカ人、5位のマルコ・トバールは22歳で5年目。マック鈴木はこの中でもベテランだ。
最近10試合の登板を見てみる。

7月1日には3度目の完投。9安打、6四球を与えたが1点に抑えている。相変わらずの出入りの多さだが、円熟味を増しているのだと想像できる。
マック鈴木のプロ野球生活は、すでに18年、オリックスを退団してからは浪人を経て、マイナー、メキシカンリーグ、独立リーグと渡り歩いていたが、ようやく今年、成果を残そうとしている。

メキシカンリーグと言えば、大家が外国人枠の関係で1週間で解雇されたことが記憶に新しい。厳しいリーグだ。しかも、MLB機構のAAAというランクはあるが、同時にメキシコ合衆国のトップリーグであり、MLBへの門戸は決して広くはない。しかし、マックはここから再びMLBを目指しているのだろう。高校を中退してのプロ入りだったから、まだ35歳。
野茂やイチローとは趣が異なるが、彼の挑戦も偉大ではないだろうか。

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吉田えり 独立リーグで初登板|エピソード2010-63

米ゴールデンベースボールリーグのチコアウトローズは今月始まったリーグ戦で、北地区のトップを快走している。で、吉田えりが土曜日の試合に先発登板した。

相手は南地区最下位のチジュアナ・シマロンズ。この試合は現地午後7:15に始まったが、ほぼ満員だったようだ。アメリカでも女性が男性のプロ野球で投げるのは極めて珍しいからだ。
吉田は1回、先頭のオチョアに安打で出塁されるが、続くアンドラスをキャッチャーフライに打ち取り、メリアンを6G併殺にして無失点で抑えた。
チコの打線は初回から活発で、2死満塁で吉田に打順が回ってきた。ここで吉田が振ったバットにボールが当たってライト前にボールが転がり、吉田は初打席初安打初打点となった。
2回、4点をもらった吉田だったが、2死からロペスに四球を与え、続くベラスケスに一発を喰らい、2点を失った。
3回は簡単に2死をとるが、アンドラス、メリアンに連打を浴び、メロに四球、さらにワイルドピッチ2つ、盗塁などもあり、ぺローにも安打を打たれて2失点した。最後はメロがホームで刺されて3アウト。吉田はこの回で降板した。
正直言ってよくわからない。大人の試合に子供が混ざって、緩いボールを投げてもらって喜んでいるだけではないか、とも思うのだが。
昨年の神戸の独立リーグの時も、吉田はありていにいえば客寄せパンダだったが、アメリカでも同じことをしているのではないか。
日本では女子プロ野球が開幕した。懸命なプレーが人気を呼んでいるようだが、その方がまともな感じがする。通用するのならともかく、飽きられれば吉田は日本に帰ってくるしかないのではないか。

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吉田えりが野球をしに行くチーム|エピソード2010-16

4月8日、吉田えりは米独立リーグのチコ・アウトローズと契約をした。日本国内にとどまる場合は独立リーグ三重に所属すると発表されていたが、吉田は三重に断りを入れたようだ。
チコは、ゴールデンリーグに所属している。昨年伊良部秀樹が少し投げたロングビーチ・アルマダもこのリーグだ。チコはカリフォリニア北部にある人口8万の町。カリフォルニア大学チコ校があることでも知られる。
独立リーグにもいろいろなランクがある。MLBが注目する有力リーグ、チームもあるが、チコはレベルは高くない。リーグ自体が設立5年と歴史が浅いからかもしれない。今発表されているチームロースターのメンバーのキャリアは以下の通りだ。

MLB経験者はウェイン・フランクリン一人。5年ほど前NYYで投げていた。MILで10勝を挙げたこともある。しかし他はAAAどまり。ちなみにジョー・マツモトは日系ブラジル人。このチームからMLBに上がるのは難しそうだ。
ただ、監督はあのゲーリー・テンプルトン。70年代から80年代に名SSとしてならしたスイッチヒッターだ。そういえば伊良部が所属したロングビーチも往年の名捕手スティーブ・イエガーを監督にしていた。ゴールデンリーグは往年の名選手を監督に迎える傾向があるようだ。
率直にいえば、昨年の伊良部同様、吉田えりは「客寄せパンダ」として契約されたのだと思う。日本からの注目が集まるからだ。昨年、吉田は関西独立リーグの神戸に所属した。思ったよりも成績は上がったが、所詮はここでも「客寄せ」に過ぎなかった。あの華奢な体で大男が打ち返してくるピッチャー返しを処理することができるのか?9人目の野手として内野守備ができるのか?そういう基本的な?が常に付きまとった。
今年から女子プロ野球が発足する。大阪のブレスなどトップ選手が参加するが、吉田は小西美加をはじめとする女子の一流選手と比べても体格的に見劣りする。野球選手としてやっていける体力があるのかどうかも心もとない。

チコで好成績を挙げてMLB機構に注目され、マイナー契約、MLBへ、という夢を追いかけようとしているのかもしれないが、それは文字通り夢物語ではないか。現実を考えるなら、日本で、しかも女子野球で実績と人気を積み上げるべきではないかと思う。

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関西独立リーグ三景 吉田えりがマウンドに|独立リーグ

【2009年3月28日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

8回の神戸の攻撃、三塁側のベンチ前で、一度はキャッチボールをしだした先発西川が引っ込んで、吉田が現れた。三塁側の観客は雪崩を打つように前に集まり始めた。キャッチボールの最初の一球もアンダースローだった。ゆっくりと、立ったままの捕手の若林のミットに投げ込んでいく。捕手が取り損ねた球があったが、ナックルがかかっていたのだろうか。

8回まで神戸の西川は大阪を零封している。彼は、四国アイランドリーグの高知ファイティングドッグの主戦級であり、球速はないがスライダー、カーブを巧みに操って大阪打線を寄せ付けていなかった。監督の中田は、西川に開幕戦完封と言う金星をあきらめさせてまで吉田を投入した。チーム内がぎくしゃくしないだろうか、と思ったが、ベンチ横で吉田は西川にアドバイスを受けていた。チームも彼女を盛り上げようとしているのだ。

マウンドへ、本当に小さい。プレートから歩幅を何度も図ってマウンドを削っている。監督やコーチから教えられたことを一生懸命に実行しているという感じだ。

日本のプロ野球史上に初めて女性が登場した瞬間である。先頭打者、平松への第1球は、ナックルがインコースに外れた。そして立て続けに4球コースを外れて平松を歩かせる。たまらずナインと中田監督がマウンドへ。ここで降板の予定だったようだが、吉田は続投を希望。続く代打古屋へ投じたのは99km/hのど真ん中の“速球”。ナックルを交えて最後は高めのボール球を振らせて三振に打ち取った。中田監督がまた小走りにマウンドに駆け寄り、抱きかかえるように投手交代。本当に腫れ物に触るような扱いだった。

今後、彼女は戦力となるのか、客寄せパンダのままに終わるのかは不明だが、まずはめでたしというところか。

マウンドを受け継いだ小園は、北陸のBCリーグの開幕戦でも投げている投手。怪我を克服した苦労人だが、140km/h超の小気味よい速球で簡単に後続を断ってゲームセット。

何となくおとぎ話のような試合を見たと思った。現実の厳しい社会にもまれながらも、何とか生き延びてほしい。

■後日談:吉田えりは、いわば野球界のファンタジーだ。大阪のブレスなど、真剣に女子野球をやろうとしている女子とは違う次元だが、つぶれないでほしい。

関西独立リーグ三景 かくて応援団は生まれた|独立リーグ

【2009年3月28日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

今日の大阪ゴールドビリケーンズと神戸9クルーズの開幕戦は、内野席は7割がた埋まった。そのかなりの部分は、選手の知り合いのようだったが、笛太鼓の組織だった応援はなくて、私好みのナチュラルな客席だった。四国アイランドリーグは、高校野球が盛んな土地柄のためか、1年目からうるさい応援団がいて閉口したのものだが。

四国の場合もそうだが、独立リーグの試合では、本塁打はめったに見ることがない。選手は、守備や走塁はまずまずなのだが、とにかく非力なのだ。今日も、先発の大阪・土肥、神戸・西川ともに最速140km/hそこそこだったが、ライナーで外野へ飛ぶ飛球はまれだった。玄人好みの投手戦(あるいは貧打戦)が多くて、派手な試合が少ないのが、独立リーグの悩みなのだ。それと、捕手のまずさが目についた。大阪、神戸ともに捕手が4番に座っているのだが、投手への返球が何度も横にそれた。粗雑なのだ。

ただ、試合はきびきびと進行して気持ちが良かった。どちらも安打で出塁はするものの勝機を逸していたが、神戸が6回にライト前に3安打をたたみかけ、2点を先取した。神戸の武田は、西濃運輸時代に都市対抗野球の花形選手だったが、打力でも走力でも一段抜けている印象だった。

 

さて、今日は非常に寒い一日だった。ドーム球場は暖房していないうえに、空調のために緩やかに風が通っていて肌寒かった。ビールは売っていたが、「ねえちゃん、熱燗ないんかい」などという親爺もいて、みんな肩を震わせながらの観戦だった。

中盤を過ぎる頃から、寒さに耐えかねてか、選手に向かって歓声をあげる客が増えだした。そして、いつしか音頭をとる酔っぱらいが現れ、それに引っ張られて「かっとばせー、碩野(い・し・の)」などという応援がはじまった。三塁側では神戸の投手に向けて手拍子の応援が始まっている。私は、応援団が自然発生的に生まれる瞬間を見たと思った。これはこれで悪くはない。和やかで、和気あいあいとした野球観戦だった。

 

■後日談:プロ野球=NPBのまねをしてもうまくいかない。独立リーグは地元密着が必要だったのだが。

関西独立リーグ三景 野球で飯が食えるか?|独立リーグ

【2009年3月28日「MLBをだらだら愛す」掲載過去記事】

スポーツ文学の名品に「ひと夏の冒険」がある。名コラムニストであるロジャー・カーンが、ひょんなことからマイナーリーグの野球チームのオーナーとなり、ひと夏をチームとともに暮らしたドキュメントだ。小さなワゴン車が、球場に横付けされるとチケット売り場に早変わりし、グッズやホットドッグの売店になり、FM放送のステーションとなる。オーナーは、売り子になり、FMラジオの中継まで担当する。薄給でも喜々としてプレーする選手たちだが、彼らにはシビアな現実が待っている。

この本の世界は、日本人から見れば、一種のファンタジーのようなものだ。「野球で飯を食う」なんて、日本ではほんの一握りの才能にしか許されないことなのだから。

 

独立リーグが始まった時に、強くひかれたのは、日本にも「野球好き」がその情熱だけで、生活できる場が出来たと思ったからだ。

五年前にできた「四国アイランドリーグ」はわざわざ見に行った。たまたま遠縁の人が、チームのオーナーになったから、他人事とは思えなかった。五年たって、このリーグは九州のチームも巻き込み、悪戦苦闘しながらも存続している。

そして関西にも今年から独立リーグができることになった。早速、チケットを買いに心斎橋にある「大阪ゴールドビリケーンズ」の事務所に出かけて行った。小さな事務所では、3/27の開幕戦の打ち合わせが白熱していた。「チケットください」と言っても、そっけない対応だった。内野席のチケットを受け取って、「がんばってください!」と言っても、返事はなかった。みんな必死なのだ。

そして、今日、大阪ドームで開幕戦。橋下大阪知事が始球式。打席に立つのは赤井英和さん。知事は何と5球も投げて、赤井さんを三振に仕留めていた。39歳の知事の球は、この試合の最後に投げた吉田えりよりも明らかに速かった。

大阪ドームには1万2千人近くが入り、盛況だった。

しかし、この球場が使えるのは今日限り。これからは何十人単位で人を集める日々が始まる。日本と言う地で、「野球で飯を食う」ことの現実が始まるのだ。

私は、今日始まったこの独立リーグをじっくりと見ていきたいと思っている。

 

■後日談:関西独立リーグは、終幕までもたず、破綻してしまった。今思えばこれが頂点の舞台だった。都会で独立リーグをやるのは難しいのだ。